恐怖指数 やボラティリティー・インデックス、高いや低いとどうなるの?

投資

恐怖指数やボラティリティー・インデックスは怖くない!

市場解説でたまに聞く「アメリカの恐怖指数が上がっていて…」とか「ボラティリティー・インデックスが落ち着いてきて…」とか、このような”恐怖指数”や”ボラティリティー・インデックス”というワードを聞いたことは無いでしょうか。しかちゃんは、特に気にせずに聞き流しておりましたが、未来が読めない株価の世界では、そのような指標も役に立ちます。今回は、恐怖指数、ボラティリティー・インデックスについて説明していきます。恐れるのではなく、どんどん活用していきましょう。

株初心者
株初心者

先日、ニュースでアメリカの恐怖指数が上がっていると聞いた。よくわからないけど、名前からして不安だ。。今保有している株価を一旦全部売却した方が良いのかな…?

しかちゃん
しかちゃん

ちょっと待って!”恐怖指数”という恐ろしい名前がついているけど、それに左右されすぎることは無いよ。その指数の意味をしっかり理解して、活用していこう!

ボラティリティー・インデックスとは?

ボラティリティー・インデックスのボラティリティーの意味をご存じでしょうか。一般的にボラティリティーとは、日本語で「変動」という意味になります。そのため、ボラティリティーが大きい・小さいという場合は、価格変動が大きい・小さいことを表します。

例えば、以下の2つのパターンがあった時に、ボラティリティーが大きいのは、どちらでしょうか。

(A) 1か月に100円上昇した
(B) 1か月に50円上昇した

ボラティリティーが大きいのは、(A) になります。(A) の変動幅100円は、(B) の変動幅50円より2倍も上昇しているからため、より変動(=ここでは各月の価格のブレ)が大きいということになります。

ボラティリティーが分かれば、ボラティリティー・インデックスも同じような意味合いで、ボラティリティー・インデックス(VIとよく略されます)は、投資家が将来の市場の値動きの大きさをどう想定しているかを表す指数になります。

このボラティリティー・インデックスは、不安心理が高まるタイミングで上がることが多いために「恐怖指数」の名でも知られています。以下に代表的なボラティリティー・インデックスを見ていきましょう。

日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)

日経平均オプションの価格(大阪取引所の日経225先物と日経225オプションの価格)を使って、投資家が予想する1カ月後の日経平均株価の変動率を数値化したものです。これは市場のリスクを評価する指標になります。

この値が高いほど、将来の日経平均が大きく変動すると投資家が予想していることになり、逆に、この値が小さいほど、将来の日経平均はそこまで変動しないと投資家が予想していることになります。値が大きいほど、相場の先行き見通しに不透明感が強いことを意味します。

特徴① 高い変動性
日経平均VIは、通常は「20~30」程度のレンジ内で推移していますが、
日経平均株価が大きく下落するなどの際は、日経平均株価とは逆に急激に大きくなります。

特徴② 平均回帰性
日経平均VIは、急激に高くなった後は、その水準をそれほど長く引きずらず、
しばらくして通常のレンジ内に戻ってきます。

参考:野村証券JPXSBI証券

ボラティリティが高い場合は、リスクを避けるために保守的な投資戦略を選択する等、投資戦略の決定やヘッジング、リスク評価のために活用されます。

ボラティリティー・インデックス(VIX指数)

投資家が見込んでいるかを示す「株価変動率指数」のうち、米国株を対象(S&P 500インデックスオプションのインプライド・ボラティリティーを基に計算)にした指数のことを表します。通常、株安が懸念される局面で上昇し、不安心理が高まっていると解釈されます。このVIX指数の値によって市場の状態を理解することができます。

VIX指数が10~20の範囲であれば、市場は安定していると言えます。
・指数が30を超えると、市場の不安定性が高まっているため、注意が必要です。
・指数が40を超えると、市場はパニック状態にあると考えられます。

過去の事例としては、2008年のリーマンショック時にはVIX指数が約90に達し、2020年のコロナショック時には約85に達しました。これらの事例は、株価が大きく下落するときにVIX指数が急上昇する傾向を示しています。

引用:カブヨム証券<https://kabu.com/kabuyomu/money/737.html>

このように、VIX指数が高いとき、つまり20を超えるような数値を示しているときは、市場が不安定であると考えられています。これは、投資家が株価の大きな動きを予想しており、その結果としてオプションのプレミアムが上昇していることを意味します。高いVIX指数は、株価が大きく下落する可能性があることを示唆しているため、投資家は慎重な投資戦略が必要です。

「リスク・パリティ」と呼ばれるファンドなどは、このVIX指数の上昇に連動して自動的に株を売る戦略を採用しています。これは、市場のリスクを管理し、ポートフォリオのバランスを保つための一つの方法です。日経VIと同様VIX指数も、投資戦略の決定やヘッジング、リスク評価のために活用されます。

参考:Bloomberg

Vストックス指数(VSTOXX指数)

日本株や米国株を中心に取引されている方が多いため、この指数については馴染みのある方は少ないかもしれません。Vストックス指数(VSTOXX指数)は、ユーロ圏の株価指数(EURO STOXX 50の30日間の予想変動率(インプライド・ボラティリティ))を基に算出される指数になります。

VSTOXX指数は、欧州版のVIX指数(恐怖指数)とも呼ばれており、投資家の心理や経済全体の不確実性を反映するように設計されています。

引用:investigating.com 日本<https://jp.investing.com/indices/stoxx-50-volatility-vstoxx-eur-chart>

参考:Investigating.com

まとめ

いかがでしたでしょうか。しかちゃんも当初はこのあたりの指数については、何も気にしていなかったのですが、上がるのか・下がるのかが誰にもわからない株市場では、このような大衆の心理が分かる指標は役に立ちます。恐怖指数は、ボラティリティー・インデックスのことです。このボラティリティー・インデックスは高い時は、下落(平均への回帰)が来ることに身構えておく備えが必要かもしれません。

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