FRBが注視している PCEコア価格指数 、予想より低いとどうなるの?

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注目が集まる米国の PCEコア価格指数

こんにちは!しかちゃんです。今週はアメリカの重大指標のPCEコア価格指数の発表も控えています。連邦準備制度理事会(FRB)が注視しているPCEコア価格指標ですが、この指標に馴染みのない方も多いのではないでしょうか。

日本株式にも大きな影響力を与える米国市場。FRBが利上げや利下げをするタイミングで株価は大きく揺らぎます。その判断基準材料として、米国のインフレ指標である消費者物価指数(CPI)や PCEコア価格指数 が考慮されます。今回は、米国のPCE指数を解説していきます。

株初心者
株初心者

テレビでよくアメリカの指標がなんちゃらって聞くけど、日本株保有者には関係ないよね?

しかちゃん
しかちゃん

ちょっと待って。「アメリカがくしゃみをすると日本は風邪をひく」と業界では言われているほど、日本経済は米国経済の影響を強く受けやすく、米国株と日本株の価格は連動する傾向もあるよ。だから、アメリカの重要指標もしっかりとチェックしなくちゃね。

そもそもPCEって何のこと?

PCEとはPersonal Consumption Expendituresの略で、日本語だと「個人消費」の事です。なんだ、ただの個人消費か…と侮ってはいけません。GDP構成比率の約7割を占める個人消費、国内総生産 (GDP)の重要な推進力となっています。

エコノミストやアナリストはPCEを、将来の支出と経済成長についての予測を立てる先行経済指標として使用しているのです。これにより、企業は製品やサービスに関するビジネスニーズを把握できるようになり、雇用や投資に影響を与える可能性があります。

PCEとは、以下のような指標です。

  • 個人消費の指標です。購買習慣と貯蓄レベルを明らかにします
  • 個人所得および個人所得支出レポートのPCE 価格指数(PCEPI)とともに、米商務省経済分析局(BEA)によって作成および報告されます。
  • 耐久財および非耐久財およびサービスに費やされる金額が含まれます。
  • 数値は、事業内容、雇用、投資に関する意思決定に影響を与える可能性があります。
  • 毎月下旬に前月分のデータが発表されます。

PCE価格指数 って何のこと?

PCE価格指数(PCEPI)は、消費者が商品やサービスに対して支払う価格とその価格の変化を測定します。これは米国経済のインフレの指標と考えられています。

PCE価格指数によって、価格がインフレしているのか?デフレしているのか?、そしてそれに応じて消費者の支出行動がどのように変化するのかを示す指標です。

PCE価格指数と似た値に、コアPCE価格指数があります。違いは、以下の通りです。

  • PCE価格指数:PCEのすべての支出カテゴリから導出された指数
  • コアPCE価格指数:食品とエネルギーのデータを除外して導出された指数

食料やエネルギーの価格は他の価格に比べて変動が激しいため、PCE価格指数の趨勢をみるには、食品とエネルギーのデータを除外したコアPCE価格指数で分析するのが一般的となっています。

FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレの長期的な目標水準をコアPCE価格指数2%」にすると表明していることから、米国では注目の経済指標になります。

引用元: Bloomberg(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-25/S9EE98T0AFB400)


2023年後半から、目標水準の2%付近を行き来きしています。この2%よりも低い状態が続けば、利下げの可能性が一層高まります。

金利政策 がもたらす効果

指標を見ることで、インフレかデフレかが判別できたとして、
それぞれの場合には、どのような金融政策が取られるのでしょうか。

インフレの場合

インフレは「インフレーション」の略称です。インフレになると、市場経済におけるモノの価値や価格水準が全般的に上昇します。簡単にいえば、お金自体の相対的な価値が低下して、モノの価値が高まっている状態を指します。

景気が上向くと賃金の上昇に伴って消費動向が活発化し、商品の需要が供給を上回るとモノの価値が相対的に高まります。インフレが加熱しすぎると継続的に物価が上昇し、自国通貨の価値が下落傾向に傾いていくのです。

インフレに対しては、利上げによって投資や消費を抑えるのが一般的です。
利上げを実施することにより、以下に影響を及ぼす可能性があります。

  • 株価が下落傾向になる
  • 物価が下がっていく
  • 住宅ローンの利息の支払いが増える可能性がある
  • 為替に影響を与える

デフレの場合

デフレは「デフレーション」の略称です。インフレとは対照的にデフレでは、お金の相対的な価値が上昇し、モノの価値が低下する現象です。たとえば、景気の後退によって市場経済が不況に傾くと消費が抑制され、モノの需要が減少して供給を下回ります。

そうすると、企業は商品の価格を下げなければならなくなり、収益性の悪化に伴って賃金も低下し、さらに消費が抑制されるという悪循環に陥ります。デフレから脱却するためには内需の拡大が必要となります。

デフレに対しては、消費動向の活発化を促すために利下げするのが一般的です。
利下げを実施することにより、以下に影響を及ぼす可能性があります。

  • 株価が上昇傾向になる
  • 物価が上がっていく
  • 住宅ローンの利息の支払いが減る可能性がある
  • 為替に影響を与える

アメリカはインフレの真っただ中で、利上げを何度も実施しており、そろそろと利下げのタイミングに差し掛かっている。利下げすると米国株は株価上昇が期待される一方、円安で利益を出していた日系企業には逆風となり、業績が落ちてしまう悪材料になりかねない。さて、FRBの利下げのタイミングはいつなのか…コアPCE価格指数を見ながら、身構えておく必要があるかもしれません。

インフレとデフレの参考記事

結論

個人消費支出 (PCE) を使用すると、エコノミスト、消費者、企業は月ごとに経済がどの程度順調に推移しているかを確認できます。PCE価格指数は、米国経済のインフレの指標と考えられており、FRBが注視している物価指標です。

PCE価格指数を判断材料にして、利下げや利上げが行われると、株価にも大きな影響を与えます。そのため、ニュースなどで指標のインフレ目標値である2%よりも上か下か、予想よりも上か下かをチェックしておきましょう。

この記事を書いた人
shika-jika

神奈川県在住|30代共働き夫婦|夫は公務員|妻はIT企業OL|投資や英語など気ままに役立つ情報を発信中|人見知り偏差値高|目指せパワーカップル

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